和室

寄り添って生きる

キング アブドゥッラー モスク
014_convert_20120108104534.jpgここは3000人が
一度に礼拝できる
ヨルダン最大のモスク

ヨルダンにしては
珍しく外国人も
入場できる。

そのため、「なにかイスラムらしいものを・・」と

外国人観光客が、意気込んで見学に来る場所の一つでもある。

水曜午後、モスク内の穏やかな時間と柔らかな空気―
ここに横たわっている 柔らかな時間が、一気にぶっとんだ。

中国人大学生観光客6名が、ドヤドヤと入ってきたのだ。

015_convert_20120108104611.jpg019_convert_20120108104721.jpg


女性たちは、入口で借りた黒の上着、スカーフを脱ぎ捨て
ドームの下でゴロンと寝転がった。
男性のほうといえば、
「へぇー、これがコーランってもんかな。」なんていいながら、
台の上に置いてあったコーランを持ちあげている。

何をしゃべっているかわからないけれど、コーランを手にとって 笑って 
上着とスカーフを脱ぎ捨て ドームの中心で寝転がって
モスクの中で行う態度が尋常でない。

そして、極めつけ。
016_convert_20120108104640.jpg説教壇(ミンバル)隣にあったマイクで何をするかと思ったらカラオケ。
なんと!彼女は、歌を歌い始めた・・。

外からヨルダン人のおじさんが
駆け込んできたのは、
怒りと呆れの境界を振り切った瞬間と、
ほぼ同時だった。
私とヨルダン人おじさんが同じ言葉を発する。 


「ここで、何をやってる!?」
おじさんは、今にも殴りだしそうなくらいの勢いで怒鳴った。
彼らは、おじさんの剣幕に圧倒されタジタジ。
また、同じアジア人に、注意されたことにも驚いていた。

気まずい雰囲気が あたりを包む。

「ゆっくり話をしてください。私が彼らに説明します。」
アジアの仲間、中国の大学生観光客たちへ、
たくさんのヨルダン人友達がいる、ヨルダンに生きる日本人として。
ヨルダンに寄り添って生きている 隊員だからできること。

015_convert_20120108104611.jpgなぜヨルダン人のおじさんが、こんなに怒っているのか、
彼らへ伝えることだった。

「あなたが使ったマイクは、アザーンとして外のスピーカーに流れている。」
「モスクは、遊ぶ場所ではなく祈りの場所である。」

「女性は上着、スカーフ着用をしてほしい。」
「コーランは聖典であり、勝手に読んではいけない。」

彼らは、おじさんに何度もペコペコ謝っていた。
おじさんも、怒りが収まったのだろう。彼らにそれ以上忠告することはなかった。

世界には、多種多様な人々が、多種多様な生き方をしている
こちらが「あたりまえ」と思いこんでいることは、相手には全く異様に映り、
むこうのあたりまえは、こちらにはなかなか納得できない

イスラムの世界がまさにそうだ。
時には、なかなか理解できないこともある。

若者が 海外旅行中、調子に乗りすぎたことを責めるつもりはない。
集団で一緒に旅行となると、多少、浮かれてしまうのは世界中どこも同じだ。
私だって、未知の地で、ルール違反、タブーを冒してきたかもしれないし、
「知らない」「身に着いていない」ということで、これからも冒すだろう。

今の私、私たち隊員 ヨルダンにおいては、観光客ではない。
隊員として、その地に生きるということ、
それぞれの文化、風習、習慣、ルール、
目の前にある事象を 受け入れ、尊重し、寄り添って生きている。

だからこそ、彼らのような行為をモスク内で行うヨルダン隊員はいないだろう。
また、私と同じように、観光客の行いを黙って見てはいられないはずである。

ガイドブックや本に書いてある、「イスラム教国のルールを守る」からではない。
「世界の人たちへ イスラム教の世界を知ってもらう」ためでもなく、
「アジア日本と中東ヨルダンをつなぐ」、大それたものを目指してもいない。

ヨルダンという国で、ヨルダンに生きる人たちと時間を共有している
私たちが生活の中で身につけてきた、
「あたりまえ」の感覚、自然な思考と振舞い。

ヨルダンで出会った大切な人たちとの一瞬、一瞬が築いてきた
ヨルダンへの想いと彼らへの温かな眼差し。

ヨルダン隊員たちは声を揃えて言う。

「ラマダン中、ヨルダン人の目の前で、水を飲むなんて心苦しくて、とてもできないよ。ダウンタウンで、観光客が平気で堂々と食べ歩きしているのを見た。日中、断食している彼らのことを少しは考えてほしい。」

「夏、南部の町はとても暑いけど、私は半そでで出歩いたことは一度もない。ワディムサ(ペトラ遺跡)やアカバは観光地。でも、外国人にとってだけのことだから。ここは、ヨルダン。イスラム教の国。肌を露出しないというのは最低限のマナーじゃない。」

中東のヨルダンだけではない。
アフリカ、アジア、東南アジア、ラテンアメリカ、
今、世界中にちらばって、切磋琢磨している隊員の仲間たちが
それぞれに生きる地の 見えない文化や習慣を 尊重し
その地に 寄り添って生きている。


モスクを離れるころ、ヨルダン人おじさんと中国人大学生観光客たちが
同じ質問をしてきた。
「あなたは、どこの国の人ですか?ヨルダンでどんなことをしているのですか?」

日本人であること、隊員として、ヨルダンにいる人たちと一緒に生きている時間、
ヨルダンに寄り添って生きている今を、誇りに思う。
044_convert_20120112064422.jpg22年度2次隊

福島県
安達太良山
登山

2010年 
7月
中旬
撮影

2012年 1月現在 世界中で活動中

モスク部レポート

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5 Comments

Comment

え!?ヨルダンは、ムスリム以外はモスク基本は入れないのですか?
シリアは、小さいモスクでもスカーフを貸してくれてどこでも入れます。
まあ、私はヒジャーブ巻くのしたい人なのでモスク行く時は自分で巻きますが・・
入り口で見てると入っておいでと呼んでくれますね^^;シリアだと・・

知り合いに中国人の留学生が多いのですが、なんか一昔前のバブル時期の日本人もこんなんだったんだろうなーって思います。よくも悪くも^^;

2012/01/08(Sun) 16:36:06 | URL | マナル [ Edit]

一人モスク部 

アハレーン。マナルさん。今年もよろしく。
シリアとヨルダンの違いはどうかわからないけれど、ムスリム以外に対して、モスクの敷居が高い気がします。
とはいえども、アラビーは、ゆるやかですから。。
実は、最近の趣味が「モスク部」一人でアンマンのモスク巡り。


ヨルダンにはアラビア書道はあるんだけど、美術めいたものが少ないなぁーーと諦めかけていたころ、モスクの美しさに出会いました。

気持ちは通じるもので、スカーフなしで、モスク内を案内されることもあります。

ゆるいんだか、厳しいんだかよくわからないですね。

これからも、いろんなモスクをめぐって、いろんな人に出会って、写真撮って、モスクのデザインをしようって思ってるんですよー。
一人モスク部、ちょっと暗いけど、楽しい。

誰かモスクに興味のある人がいたら、紹介してくださーい。



2012/01/09(Mon) 07:31:33 | URL | [ Edit]

考えさせられました。

あけましておめでとうございます。
ときどき「和室」をのぞいています。
今回のコラム、感動したと同時に考えさせられました。
私はかつてシンガポールに住んでいましたが、多民族、多文化、多宗教の中で暮らして、「おもしろいなぁ」と思いつつ、日本となんら変わらない暮らしをしていました。相手にとっては、迷惑していたこともあるんだろうな、と思います。
すごく考えさせられる話なので、仕事で使わせていただけたら、と思っていますが、よろしいですか?

ちなみに、私は和さんと同じ場所で同じ仕事をしていた者です。このブログはかつての職場Kの友達に聞きました。みんな、元気ですよ~(^-^)
2012/01/11(Wed) 14:16:13 | URL | もといし [ Edit]

モスク部入部!!希望w

>シリアとヨルダンの違いはどうかわからないけれど、ムスリム以外に対して、モスクの敷居が高い気がします。
とはいえども、アラビーは、ゆるやかですから。。
実は、最近の趣味が「モスク部」一人でアンマンのモスク巡り

なるほどー、シリアは政治的に、世俗主義が強いので、モスクなども入りやすいのかもしれません。とはいえ、私は都市部しか行ったことがないので、田舎とかは違うのかもしれないです。

モスク部いいですね!!!私も、世界のモスクめぐりしたいんですよ!なので、モスクに入りやすい国を探してますー。ぜひ入部したいです><
実は、今年のラマダンの時期ぐらいにエジプトに行こうかと思ってるのですが、エジプト行ってモスクめぐりしようと思ってます。カイロのイスラム地区で片っ端からモスクめぐりしたいと、エジプト人の友達に言うと物好きだねーという顔をされました^^;;
時間があったらヨルダンもいいなーとかとか思ってますー。
2012/01/11(Wed) 22:58:45 | URL | マナル [ Edit]

もといしさんへ ぜひ!

もといしさんへ

コメント、ありがとうございました。
覚えていますよ~~。K小の吹奏楽部を築いたとKさん(オジョウ)も言っておりました。

武道家、音楽家のもといしさんに刺激され、ちょこっとだけ、放課後やってた剣道に通っていました。

シンガポールから帰国され、ずいぶんたちますが、きっとご自身の教室に還元される経験をたくさんお持ちだと思っています。

ブログ内の内容や、言葉を生徒たちに、ぜひぜひ使ってくださいね。
教育関係職や生徒たちが、自分の言葉を通し、いろいろ考えてくれるのは、とっても嬉しいことなんです!!!

10月くらいに帰国ですが、何かあったらぜひ。総合や社会科などの授業でヨルダンとつながりそうなことがあったら、声をかけてください。

ところで、オジョウに連絡をとろうと思っても、繋がりません。
携帯番号変えちゃったのかなぁ。

kazuetabuchi@yahoo.com


私のアドレスなんで、もし良かったら
教えてもらえますか?




2012/01/12(Thu) 07:05:02 | URL | [ Edit]
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