01/26/2013 Sat 02:14 |
ヨルダン美術隊員とUNRWA美術教員が生み出した「ART FOR ALL」アイディア教材集
「ART FOR ALL」
みんなが楽しめる美術科教育を目指して 実際の授業実践から生み出された美術科授業のハンドブック。 ヨルダン美術隊員とヨルダン美術に関わる先生たちが 共同開発して取り組んできた、アイディア集。 この本に目を通し、鮮やかにヨルダン美術の思い出が蘇ってきた。 写真は私の教材案数点 注:「ART FOR ALL」で使用されたフォーマットではありません。 図工室がない、絵の具も絵筆もない。 生徒たちが用具を持ってくる気配もない。 ないないづくしで、どうやって図工の授業を行うのか・・・。 校長先生に悩みをうちあけても、 「主要5科目こそ女子生徒の進学率をあげる要」という答え。 「勉強に関係のない美術は、やってもやらなくても、 どっちでもいいんじゃない・・・」という感じ。 生徒の生活に近い美術、デザインを集めていく。 生徒たちが手に入りやすい教具をつかった授業、 特定の上手な生徒だけでなく、みんなが参加できる授業作り。 ハサミの持ち方も、のりの使い方もゼロから。 日本では幼稚園・保育園で行われている指導を ヨルダンでは小学校4年生から行う。 美術科授業を校長や教頭先生に見学してもらい、 美術科教育の意義を伝えていく。 クレヨンや鉛筆が学校費で買ってもらえるようになっただけでも ずいぶんな進歩だった。 他教科の先生たちとも連携を図る。 数学や算数の中で、 定規や角度を使う授業があると、 私も一緒に混ざって、定規や分度器・コンパスの使い方を 個人指導していった。 作図の技術がデザインの感覚につながっていく。 パレスチナ刺繍の授業では、歴史・社会科の先生に 資料を見せてもらい、 パレスチナの地の歴史や風土のことも考えてもらった。 学区の風景を撮影し、身近な看板の文字デザインや 色彩・遠近が美術科につながっている授業案も開発した。 児童、生徒みんなにとって、 「新しい世界を知って良かった」 「もっと美術の世界を知って見たい。描いてみたい。 表現したい。」という時間になる様に。 結局、私はアイディア集に関わる仕事を やり残して帰国したのだが、 帰国後も今のヨルダン美術隊員が、 印刷・製本やワークショップなどを 継続して行ってきた。 青年海外協力隊の雑誌 クロスロード2月号に、ヨルダン美術の アイディア集「ART FOR ALL」が 記載された。(原稿は森本さん) 次は、Jica’s World 3月号で紹介されるそうだ。(現役隊員ハルちゃんの紹介) 目の前の生徒たちに焦点を絞って 目の前に用意できる物を使って 今自分が生きている場所で 「だれにでもどこでも楽しく取り組む」授業 ヨルダン美術科授業の新たな展開は、今はじまったばかり。 関連記事 日本の中学校美術科教育の今 兵庫県神戸市の中学校美術教師のブログ1月25日記事 現役美術教師 新ヨルダン隊員 エリカ先生のブログ「美術教育の意味」 過去の記事 和室「ヨルダン美術科授業と生徒たちの作品①」2012年8月28日 和室「ヨルダン美術科授業と生徒たちの作品②」2012年9月1日 にほんブログ村 |
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