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和室

ヨルダン美術隊員とUNRWA美術教員が生み出した「ART FOR ALL」アイディア教材集

「ART FOR ALL」
みんなが楽しめる美術科教育を目指して
Idea+book+Cover+page_convert_20130126012942.jpg実際の授業実践から生み出された美術科授業のハンドブック。

ヨルダン美術隊員とヨルダン美術に関わる先生たちが
共同開発して取り組んできた、アイディア集。

この本に目を通し、鮮やかにヨルダン美術の思い出が蘇ってきた。

写真は私の教材案数点
注:「ART FOR ALL」で使用されたフォーマットではありません。



図工室がない、絵の具も絵筆もない。
生徒たちが用具を持ってくる気配もない。
ないないづくしで、どうやって図工の授業を行うのか・・・。

校長先生に悩みをうちあけても、
「主要5科目こそ女子生徒の進学率をあげる要」という答え。
「勉強に関係のない美術は、やってもやらなくても、
どっちでもいいんじゃない・・・」という感じ。
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生徒の生活に近い美術、デザインを集めていく。
生徒たちが手に入りやすい教具をつかった授業、
特定の上手な生徒だけでなく、みんなが参加できる授業作り。

ハサミの持ち方も、のりの使い方もゼロから。
日本では幼稚園・保育園で行われている指導を
ヨルダンでは小学校4年生から行う。
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美術科授業を校長や教頭先生に見学してもらい、
美術科教育の意義を伝えていく。
クレヨンや鉛筆が学校費で買ってもらえるようになっただけでも
ずいぶんな進歩だった。

他教科の先生たちとも連携を図る。
数学や算数の中で、
定規や角度を使う授業があると、
私も一緒に混ざって、定規や分度器・コンパスの使い方を
個人指導していった。
作図の技術がデザインの感覚につながっていく。


パレスチナ刺繍の授業では、歴史・社会科の先生に
資料を見せてもらい、
パレスチナの地の歴史や風土のことも考えてもらった。

学区の風景を撮影し、身近な看板の文字デザインや
色彩・遠近が美術科につながっている授業案も開発した。
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児童、生徒みんなにとって、
「新しい世界を知って良かった」
「もっと美術の世界を知って見たい。描いてみたい。
表現したい。」という時間になる様に。

結局、私はアイディア集に関わる仕事を
やり残して帰国したのだが、
帰国後も今のヨルダン美術隊員が、
印刷・製本やワークショップなどを
継続して行ってきた。

青年海外協力隊の雑誌
クロスロード2月号に、ヨルダン美術の
アイディア集「ART FOR ALL」が
記載された。(原稿は森本さん)
次は、Jica’s World 3月号で紹介されるそうだ。(現役隊員ハルちゃんの紹介)
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目の前の生徒たちに焦点を絞って
目の前に用意できる物を使って
今自分が生きている場所で
「だれにでもどこでも楽しく取り組む」授業
ヨルダン美術科授業の新たな展開は、今はじまったばかり。

関連記事 日本の中学校美術科教育の今
兵庫県神戸市の中学校美術教師のブログ1月25日記事
現役美術教師 新ヨルダン隊員 エリカ先生のブログ「美術教育の意味」
過去の記事
和室「ヨルダン美術科授業と生徒たちの作品①」2012年8月28日

和室「ヨルダン美術科授業と生徒たちの作品②」2012年9月1日

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