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和室

ナクバを超えて~未来の卵たちへ~

ヨルダン、日本にかかわらず、あらゆる地域で
学校やテレビをはじめとするメディアから
新しい情報や知識をシャワーのように浴びている子供たち。
彼らこそ、未来を択く、パワーそのものです。

「過去・今の事実」を伝える際、
下手にころぶと、とんでもない方向にいきつきます。
上手にころぶと、未来を拓く原動力につながります。

私の学校で先週行われた「ナクバ(大惨事)」のイベントです。
テーマに描かれた絵や、歌・詩の暗唱の様子を通し、
考えたことをお伝えします。

ナクバ(大惨事/大災厄)とは、
1948年イスラエル建国を、パレスチナ側の視点でとらえた表現です。
47年から49年にかけてパレスチナ(アラブ)人の70万人以上が、土地を追われて難民になった惨事のことです。
115_convert_20120519023518.jpgイスラエル独立宣言(5月14日)の次の日が、ナクバの記念日。
今年は64周年記念です。

生徒たちが「ナクバ」をテーマに、描き始めます。
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破壊をされ祖国を追われたパレスチナ人の悲しみ、
実際、今も占領は続き、
占領区に生きるパレスチナ人たちは最低限に生きる権利を奪われています。
決して許されることではありません。

そういった、過去から続く、悲しみや苦しみを、
ヨルダンパレスチナ難民局の学校現場では、繰り返し伝えています。
苦しみ・悲しみ・不安・怒り・やるせなさ・悔しさ・・・。

今年の「ナクバ」イベントでの発表会。
朗読をしながら、涙を流す生徒もいました。
歌っている時の体全体を使った表現力といったら、圧倒されてしまいます。

こちらの絵は、学校入口玄関に貼られました。
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ブルドーザーで占領していく絵、
家に勝手に侵入し、イスラエル兵がパレスチナ人を殺す絵
涙で溢れるパレスチナの旗、エルサレムの岩のドーム・・・。
鍵を持っているのに、中に入れず追い出されたままの人たち。

一方、生徒の作品に表現されている風景は、
彼女たちや彼女の親が実体験したものではありません。
1948年代の難民ですから、生徒や同僚達は、第4、5世代。
ヨルダン生まれのヨルダン育ち。

エルサレムの「岩のドーム」や、
イスラエル兵を見た生徒は、まずいないでしょう。
戦車も鉄砲も、知りません。
今のヨルダン・アンマンでこういった風景に出会うことはありません。
これらはすべて教育と情報で培われたイメージです。

日本人の私で例えると、原爆を体験していないけど、
「反原発」「戦争反対」をテーマに、
原爆のきのこ雲を、フリーハンドで描けることと似ています。

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イメージは、
情報・教育
・家庭の中で
作られます。







「イスラエル=悪=卑怯/ パレスチナ=良=同情」
「いじめられている側に同情」は、世界でも一般的だと思いますし、
私だって、パレスチナ寄りです。

でも、
「いじめられていることは絶対、許せない。絶対、忘れない。
いじめた相手は過去も今もこれからも、悪であるのは変わりない。」
というのであれば、いつまでたっても堂々巡りじゃないかなぁって思います。

アジアも中東も、世界中どこの国も
近い将来を考え、遠い将来を創るマスメディアであってほしい。
未来を拓く教育であってほしい。

彼女たちが表現する「悲しみの過去」「苦しみの今」の作品を見ると、
そう願ってやみません。

イスラエルの地には、
パレスチナ人から一方的に土地を奪い、私腹を肥やしている人が
たくさんいると思います。
でも、今の日本にもいて、どこの世界にもいるもんです。

いくら騒いでも、わめいても、イスラエルでの占領が続くのであれば、
ユダヤ教徒が悪いとかではなく、力のバランスの問題だと考えています。
イスラエル政府が行っている攻撃が非人道的だからと言って、
そこに生きる人たち全員が悪いとは決していえないことを、断言します。

裏を返せば、
パレスチナ人の現状を変える、一番身近なエネルギーの源は、
占領地にいる隣人、つまりイスラエル人じゃないかと、私は信じています。
ユダヤ教を信じる人がたくさん住んでいる
アメリカ、イスラエル以外の国にも、
世界に訴えるパワーがたくさん潜んでいることでしょう。

それと同時に、私が大きな可能性を感じる存在が、
目の前にたくさんいます。
ヨルダンにいるパレスチナ人たちです。
ヨルダンでは過半数、アンマンでは7割以上がパレスチナ人という、
この国のマジョリティーの人たち。


ヨルダンで出会うパレスチナ人たちは、教育をとても大切にしています。
他者へ自分の考えを発言する力、感情を真っすぐに訴える表現力は、
日本人よりも高い気がします。

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高い教育を受けたヨルダン国籍パレスチナ人。
ヨルダンをはじめ中東、世界での生活、活躍を通し、
「イスラエル」の中にある祖国の人たちのため、
何を大切にし、最優先にし、どのように伝えていくか、
平和な社会をつくるために、何を変えていくか、
そのために、自分がどう働きかけることができるか。


幼稚園から小学校まで、広島で平和教育を受けた私が、
大学時代、日本・韓国・アジアでの戦争に対する歴史観に触れ、
今、ヨルダンで未来の卵たちと、真剣に向き合う時間。
これもまた、とっても小さいけれど、小さな一歩かもしれません。
ナザール女子校の生徒たち、同僚のみんな、考えるきっかけをありがとう。

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注)
ヨルダン北部ジェラシュには、ガザキャンプとよばれる第三次中東戦争(1967年)に、ガザ地区から移動してきたパレスチナ人たちがいます。彼らは、ヨルダン国籍をもたないパレスチナ人で、依然としてヨルダン国内で、困窮した生活を強いられています。
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